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靴底等の滑り難さ試験の検討


靴等の履き物のクレームを調査すると、上位に底材の滑りがあります。

特にPL法施行後は、安全で快適な歩行のため、靴底の滑り難さ等の評価は重要になってきています。しかし、靴の滑り難さの統一的な試験方法が無い現状では、靴メーカーは官能評価による試験に頼っているのが現状です。

靴滑り試験の規格等に関する調査では、いくつかの方法がありました。

当センターではISO/TR11220に準拠した試験条件で靴等の滑り難さ評価のデータ採取を目指し試験機を設計、製作しました。

この試験機は、滑りに関するクレームを再現できるよう床材の種類や負荷荷重を自由に変更できるよう設計しました。そのためクレーム事例に即した再現試験もできます。また、この試験機のデータはすべてパソコンに取り込まれ、パソコン上でデータ処理ができるようになっております。


靴滑り試験機

滑りの評価について


滑り難さと言ったとき、滑りの定義がいくつかあることは、知られています。

例えば、slipperiness(滑りやすいや滑り難いといった"すべり")とslip(滑って転ぶの"すべり")です。これらの滑りは日本語ではよく混同されて使われる時が多く、注意深く分けながら"すべり"という概念を考える必要があります。

前者のすべり(slipperiness)は、いわゆる最大摩擦係数で評価されるような滑り難さの評価であり、C.S.R.(coefficient of slip resistance)という評価パラメーターが用いられています。

つぎに、滑って転ぶの"すべり"ですが、この評価は、動摩擦係数と相関性が高いと思われ、滑っている状態で姿勢を立て直せるかということに関わってくると思われます。

靴と床面の間の介在物として、水、グリセリン、エンジンオイルを用いて実験を行った結果、介在物の違いはそれぞれデータにも現れ、それぞれの間に相関性も無いので、それぞれの条件で測定を行う必要があります。

海辺やプールサイドでの使用が前提の場合は、水を介在物とし、工場などでの使用を想定した靴の場合、エンジンオイルなどを使用して評価することが大切です。


滑り試験の一例


滑り性測定例:クリックで拡大

右のグラフは、ある靴の測定例です。(グラフをクリックすると拡大されます。)


このような試験結果の場合は、ピーク部分の最大静止摩擦係数に相当するC.S.R.や、動摩擦係数に相当する1〜2秒間の滑り抵抗の平均により評価を行います。



問題点


試験に際しては、靴、床材等の使用条件と介在物などを考慮し、測定する必要があります。

実用上での靴の滑り難さを評価するのには、横方向、後ろ方向からの測定が必要です。なお、当センターの装置では当然横方向および後ろ方向からの滑りの試験も可能です。

滑り難さは滑り抵抗が大きいことが必ずしも良いわけではなく、最適な範囲が存在してることが報告されています。

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