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衣料品の表面フラッシュ性試験方法の開発

起毛を施した衣料品等に着火すると、炎が毛羽から毛羽へ急速に伝播し生地表面を炎が走るような現象が生じることがあります。

これを「表面フラッシュ」と呼びます。

毛羽は体積の割に表面積が大きく、空気との接触面積が大きいため、着火すると瞬時に完全燃焼します。炎は透明に近いので明るいところでは、ほとんど目立たず、気付くのが遅れると地組織にまで延焼し、思わぬ事故を招くことになります。起毛品の流行に伴って、表面フラッシュによる事故が発生していますが、安全性の面からの対応を迫られながらも、評価方法が確立されていませんでした。


試験機の概要


表面フラッシュ試験機

表面フラッシュの試験機としては唯一英国規格に規定されています。

しかしこの試験機ではフラッシュ発生の有無を見るだけで表面フラッシュを数量的に評価できません。そこで、定量的に評価できる試験機を試作しました。

燃焼条件として厳しい垂直形を選び、ISO6941-1984を基本として改良を加えました。フラッシュは肉眼でも見えにくい場合があるので、細いナイロンフィラメントテグスが火炎により熱溶融するタイミングを反射型光電センサーにより感知させることにしました。

表面フラッシュの様子は、下の動画でご覧になることができます。


試験方法


試料はいずれもJIS L 1091に規定の試料調整方法に従って、52±2℃の恒温乾燥機内24時間放置し、その後シリカゲル入りデシケーター中に2時間以上放置した後、試験を行いました。

さらに、試験機に取り付ける直前に試料をブラシ掛けし、表面の毛羽を立てて表面フラッシュが発生しやすい状態で試験しました。


まとめ


  • セルロース系繊維には表面フラッシュの危険があります。
  • 合成繊維には表面フラッシュが起こりません。
  • 獣毛製品には「表面フラッシュもどき」とでも呼ぶ現象が見られる時があります。
  • 横方向にフラッシュする場合もあります。
  • 密な毛羽では生地本体に着火する恐れがあります。
  • 毛羽方向については、逆目のほうが表面フラッシュが起こりやすい傾向があります。
  • 洗濯が表面フラッシュに及ぼす影響は断定できません。
  • 火炎が20cm以上の高さに達し、20cmの高さに達する時間が1秒以内である試料は、クレームになる可能性が高いと考えられます。

参考までに社団法人繊維評価技術協議会で定める評価基準を紹介します。詳細につきましては、日本工業規格(JIS)L1917:「繊維製品の表面フラッシュ燃焼性試験方法」をご参照下さい。


評価区分 測定結果
表面フラッシュなし 表面フラッシュ炎がマーカ糸取付位置10cmまで到達しない。
表面フラッシュあり

①表面フラッシュ炎がマーカ糸取付位置10cmまで到達するが20cmに到達しない。

②表面フラッシュ炎がマーカ糸取付位置まで1秒以上かかって到達する。

表面フラッシュ著しい 表面フラッシュ炎がマーカ糸取付位置20cmに1秒未満で到達する。

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