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調湿性等試験方法の調査研究

吸放湿特性評価


この調湿性等試験方法の調査研究は、吸放湿性や保湿性を付与した繊維製品を評価できないかというところからスタートしました。

そこで、布帛の周囲の環境を加湿し、吸湿特性を評価し、次に周囲の環境を除湿したときの放湿特性を連続的に評価する装置を開発しました。その装置の概略図と測定例を以下に示します。


吸放湿特性評価

上記のグラフは綿とシルクを測定した例です。

布帛を乾燥した環境に置き、次に加湿した空気を対象試料の裏面の空間に流入させます。測定対象試料の表面の湿度が少しづつ上昇してきます。試料により、その湿度の上昇する過程(速度)及び下降する過程が異なっていますので、それにより吸湿特性、放湿特性を評価する試験方法となります。

この例では、綿とシルクとの比較になりますが、綿はなかなか吸湿しにくいが、逆に放湿過程となると保湿する特性があることがわかります。逆にシルクは吸湿性に優れている反面、保湿しにくく、周囲の湿度環境に合わせて素早く放湿することがわかります。

これらの吸放湿過程は、繊維内の構造や繊維間の構造、繊維表面の特性などいくつかの因子により影響を受けていると思われます。綿は繊維内部に水は入りにくいが、一度入ると、逆に出にくいことを示し、シルクは繊維内部に水を貯めるのではなく、繊維表面に水を吸着させているので、素早く吸着するが、乾燥すると素早く水を放してしまうのではないかと考えられます。

このように、布帛を置く環境を加湿した状態や乾燥させた状態にすることにより、繊維のもつ気相の水の緩衝能力を評価するということになると考えられます。


衣服内環境模擬による評価


衣服の重要な特性として、熱と水分の移動が挙げられます。

しかし、それらの移動特性の評価に於いて応答速度の速いセンサーや適切な測定条件の設定がその特性を評価する上で重要になってきます。そのため、センサーも含めた測定装置を開発し、試験装置を完成させました。


衣服内環境模擬評価

従来の夏向けの快適性衣料では、通気性や透湿性などが大切な要素として考えられ、JIS規格でも試験方法が規定されていました。この2つの特性は試験方法が全く異なっているのですが、同一試料で測定した結果、あまり相関性が無い事が判明しました。

そこで、本研究で開発した試験装置による測定結果と対比しながら比較をしてみると興味深い結果がわかりました。

通気性は、気相の水分移動の初期に大きく寄与していることです。また透湿性はある程度繊維に水分が貯められた後、徐々に水分が移動していく過程での特性とよく似た挙動をしめすことが確認されました。従って、水分移動は、繊維素材の種類や織組織、編組織の異なり、表面加工材の種類などが複雑に絡み合った結果としての衣服内の調湿性の評価となります。

これらの研究結果として、水分移動には幾つかの段階を経て移動が行われているのではないかと考えております。その過程については更に研究を加え、質の高い評価、試験方法を提供できるよう努力していきたいと思います。

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