【はじめに】
これまで、花粉症対策に販売されているマスクには何がしかの性能が表示されているものもありましたが、その性能の根拠となる試験方法は決して明確ではありませんでした。また、その性能の表示法も業界で統一されておらず、消費者保護の観点等から試験方法の確立が切望されていました。
そこでカケンでは、マスクに使用されているフィルター部の花粉捕集効率試験装置および試験方法を開発することといたしました。
【既存試験方法の問題点と課題】
既存の花粉捕集効率試験方法について調査したところ、JISに規定されたものやコンセンサスのとれたものはなく、独自の試験方法がいくつか存在するのみでした。また、これら独自の試験方法には各々問題点が含まれていることがわかりました。
例えば、試験片上に花粉粒子を直接置いた後測定する方法では、花粉粒子同士が集合・積層化している状態での測定となり、下層の粒子自体がフィルターの役目を果たしてしまい、試料のフィルター性能を評価するという本来の目的が果たせていない可能性が高いという問題点がありました。また別の方法では、花粉粒子が試験片面に均一に分散していない可能性があり、また、結果を導く計算式は試験系壁面への粒子の付着(コンタミネーション)を考慮していないものでした。
そこで、これら問題点を解決するため、(1)
試験粒子を試験片面に対して均一に分散させること、(2) 極微量の試験粒子を定量連続供給できること、(3) 装置壁面に試験粒子が付着することによる試験結果への影響を低減すること、を課題に試験装置および試験方法の開発に取り組みました。
【試験装置および試験方法】
カケンでは上記3点の課題を解決した「花粉捕集効率測定装置」を開発し、「花粉捕集効率試験」の試験受託を可能としました。
試験方法の概要は次のとおりです。試験粒子を、一定流量の試験系内に定速供給し、試験片面上に均一分散落下させます。規定量の試験粒子が試験片を通過した量を計測し、捕集効率(%)を算出します。
試験対象 |
(マスクの)フィルター部 |
試験粒子 |
石松子(粒径がスギ花粉と同等の
約30μmとされる天然物) |
【さいごに】
カケンで開発したこの試験装置および試験方法は、その技術的有用性を認められ、社団法人 日本衛生材料工業連合会 全国マスク工業会において「花粉粒子の捕集(ろ過)効率試験方法」として採用されました。
あわせて、カケンは同工業会の推奨試験機関となっております。 |