カケン
クレーム事例紹介    

このコーナーでは、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」のなかから事例を引用し、ご紹介します。

 



【収縮(伸び)】









  めっきり寒くなり、夏物衣料などのお手入れも既に終わっていることと思います。
せっかく洗濯をして大切にしまっても、保管方法によって思わぬ事故に遭遇してしまうこともあります。
皆さんの中にも、クローゼットの中でハンガーに掛けて保管していたセーター、カーディガンが伸びてしまった、また、家庭洗濯をして吊り干してしまったために伸びてしまったといった経験があるのではないでしょうか?
そこで、今回は、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」の中から"収縮(伸び)"の事例を引用し、紹介します。
 
 
  1.クレームの状況  
    苦情内容: セーターを洗濯して吊り干ししたら、丈が著しく伸びてしまいました。
(本来、平干しすべきところ、誤って吊り干しをしてしまいました。)
 
    組成表示: アクリル100%  
    取扱表示: 取扱表示
 
            苦情の外観  
                 
  2.同類のクレームの事例  
    (1) よこ編地の綿100%のサマーセーター(5ゲージ使い)を洗濯後吊り干ししたところ、着丈及び袖丈に伸びが生じました。  
    (2) よこ編地のアクリル100%のワンピースをクローゼットにハンガー掛けをしておいたところ、着丈が伸びていました。  
      ゲージ:編機の針の密度を単位長さの針数で表す(例:5ゲージ/inch)  
     
1inch=2.54cm
 
                 
  3.なぜこのような現象が起きるのですか  
    (1) 洗濯乾燥時の伸びと保管時の伸びの2通りがあります。  
        イ) 本来、平干ししなければならないのに水分を含んだ状態で吊り干しを行うと自重により伸びてしまいます。  
        ロ) 本来、たたんで保管すべきところ、ハンガーにて長時間保管したため、製品の自重により徐々に丈が伸びてしまいます。
 
                 
  4.このクレームが発生し易い素材の製品  
    (1) 素材的に見ますと、主に綿、麻、アクリル、レーヨンでゲージの粗い、よこ編素材。  
    (2) 製品別に見ますと、セーター、ワンピース。  
                 
  5.このクレームが発生し易い条件、部位等  
    (1) 編地をよこ使いした製品の丈方向  
    (2) 脱水が不十分で吊り干しされた場合、水分を含んで重くなるため丈方向が伸びます。  
    (3) 生産の段階で伸びやすい素材やデザインに対して伸び止めの工夫がされていない場合、着用や洗濯で丈が伸びます。  
                 
  6.売り場でのクレーム受付時の対応について  
    (1) 発生時の状況などについてお客様に確認します。  
        1. 購入日  
        2. 着用期間  
        3. 発生状況等(着用、洗濯、保管のどれか)  
        4. どの部分がどれ位伸びたか
 
    (2) 上記を確認し、「調査しご報告いたします」ことを伝えます。
その際、調査に日数がかかる旨の了解を得ます。
 
                 
  7.判断基準と試験方法及びクレーム処理時のお客様への説明方法  
    (1) 調査結果の報告書に基づいて説明します。  
    (2) 試験方法  
        1. 取扱い表示に従った耐洗濯性テストを行います。乾燥は吊り干しをします。  
        2. 苦情発生状況に対応した再現テストを行います。  
                 
      試験方法「寸法変化率(%)」  
        1. JIS-L-0217 水洗い洗濯  
            織物:±4
編物:±8
 
        2. ドライクリーニング(取扱い絵表示による)  
            織物:±2
編物:±3
 
    (3) 判断について  
        イ) 基準値は、アイテム、素材、組織、加工方法などにより異なるため、判断の目安とします。  
        ロ) 同種新品や試験データがない場合、収縮状況や取り扱い状況を考慮し、営業的処理を行います。  
             
  8.商品を企画・生産する場合の注意事項と対策  
    (1) よこ編製品、ゲージの粗いニット等で、家庭洗濯ができる表示を付ける場合、  
        1. 取扱い絵表示で『平干し』を表示します。  
        2. 取扱い注意表示を付けます。  
    (2) 耐洗濯性テストで著しい伸びが生じるものは、中止します。  
             
  9.販売時に必要な説明事項  
    (1) よこ編製品、ゲージの粗いニットは、吊り干しやハンガー保管で伸びやすいことを伝えます。  
    (2) 家庭洗濯ができる表示の付いている商品で、よこ編製品、ゲージの粗いニットは、必ず脱水をして整形後、平干しすることを伝えます。  
    (3) ハンガー保管が原因の場合は、たたんで保管してもらうことを伝えます。  
             
  10.その他  
    (1) 取扱い注意表示の例
『洗濯後は、脱水をし、整形した後、平干しをして下さい。』
 
             

[クレーム事例紹介] [知って得する豆知識.TOP] [すぐに役立つ「衣料品講座」]

財団法人日本化学繊維検査協会
(c)1998-2003 Japan Synthetic Textile Inspection Institute Foundation, All right reserved.