カケン
クレーム事例紹介      

このコーナーでは、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」のなかから事例を引用し、ご紹介します。

 
 



【クリーニングによる逆汚染】











寒い冬が終わり春めいてきたこの時期、そろそろ冬物衣料をしまう方も多いのではないでしょうか?淡色のコートなどをクリーニングに出して、戻ってきたとき黒ずんでしまったといった経験はありませんか?
そこで、今回は、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」の中から”クリーニングによる逆汚染”の事例を引用し、紹介します。

1.クレームの状況
  苦情内容:
毛100%の白のダッフルコートを石油系ドライクリーニングしたところ水溶性の汚れで全体的に黒ずみました。
組成表示:
表地 毛100%
裏地 ポリエステル100%
取扱表示:
取扱表示

 
 
2.同類のクレームの事例
  (1) ポリエステル100%の白のジャケットをドライクリーニングしたところ、部分的に黒ずんだ箇所が生じました。
  (2) 樹脂加工されている濃淡のあるブラウスをクリーニングしたところ、淡色部分がグレーぽく変化しました。
 
3.なぜこの現象が起きるのですか
  主にドライクリーニング溶剤中に溶出した各種の染料及び汚れが、衣服を再汚染します。
  (1) ドライクリーニング中、他の衣料品から溶出した染料を吸着した場合
  (2) カートリッジフィルターの性能が低下した場合(完全に除去できない汚れが吸着します)
  (3) カートリッジフィルターの交換の際の不備による場合
  (4) 汚れ、染料を吸着しやすい素材を使用した場合
 
4.このクレームが発生し易い素材の製品
  (1) 白及び淡色系の素材で樹脂加工品
      ポリエステル、絹、アセテート、レーヨン等
 
5.このクレームが発生し易い条件、部位等
  (1) ドライクリーニングの処理条件が悪い場合
・ クリーニングの溶剤が汚れている場合
   (蒸留不良とカートリッジフィルターの性能低下)
・ 濃色の製品と淡色の製品を一緒に洗った場合
(2) 染料色素などを吸着しやすい樹脂加工が施されている場合
 
6.売り場でのクレーム受付時の対応について
  (1) 発生時の状況などについてお客様に確認します。 
1.購入日
2.着用期間
3.クリーニング方法
 (初めてのクリーニングか、クリーニングの溶剤の種類)
(2) 上記を確認し、「調査しご報告いたします」ことを伝えます。
その際、調査に日数がかかる旨の了解を得ます。
  注:クリーニングによって白物が全体的に黒ずみ、グレー、ピンク系の色相に変化したものは、クリーニング溶剤による逆汚染と判断されます。
 
7.判断基準と試験方法及びクレーム処理時のお客様への説明方法
  (1) 調査結果の報告書に基づいて処理します。
  (2) 試験方法:
 

1.再現試験(取扱い表示に基づき洗濯試験を行い、色相変化を調査します)
    ・色相変化がないこと
2.逆汚染の除去(クレーム品)
    ・再度クリーニングなどを行い、白さが回復するか確認します

(3) 判断について
  1. 再現試験で色相変化がない場合、商品的な問題ではなく、クリーニングなどによる取扱い方法に問題があったことを説明します。
    2. 再度クリーニングを行って白さが回復し、着用可能となれば原因を説明し、お返しします。
    3. 同種新品やデータがなく、再度のクリーニングでも回復しない場合、使用条件を考慮し、営業的処理を行います。
 
8.・商品を企画・生産する場合の注意事項と対策
  (1) 樹脂加工の一部は、汚れ、染料等を吸収しやすいものがあるため、汚れなどを吸着しやすい樹脂加工は避けます。
 
9.販売時に必要な説明事項
  (1) スーツなど上下揃いの物は、別々に洗うと色相変化が目立つ場合がありますので、なるべく一緒にクリーニングに出すことを説明します。
 
10.その他
  (1) 汚染の除去例
クリーニング店などで、再度きれいな溶剤で洗浄すると、黒ずみなどの逆汚染が除
去でき、白く回復する場合があります。
 




[クレーム事例紹介] [知って得する豆知識.TOP] [すぐに役立つ「衣料品講座」]

財団法人日本化学繊維検査協会
(c)1998-2002 Japan Synthetic Textile Inspection Institute Foundation, All right reserved.