カケン
クレーム事例紹介      

このコーナーでは、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」のなかから事例を引用し、ご紹介します。

 
 



【虫害】











少しずつあたたかくなり、冬物のお手入れをする季節になってきました。お手入れ方法が来シーズンも着られるかどうかに大きく影響してきます。そこで、今回はカケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」の中から"虫害"の事例を引用し、紹介します。

1.クレームの状況
  苦情内容:
半年間保管していたコートをタンスから取り出し、着用しようとしたら、身頃部に小さな穴があいていました。
組成表示:
毛100%
取扱表示:
取扱表示

 
 
2.同類のクレームの事例
  (1) 洋ダンスに保管しておいたジャケット(カシミヤ100%)に2〜3oの穴あきが数カ所生じていました。
  (2) ミンクのコートを保管しておいたところ、前身や袖の毛羽が抜けたようになっていました。

 
3.なぜこの現象が起きるのですか
  (1) 衣料害虫は、動物性蛋白質を養分として成長するため、主に毛、絹織物は食害を受け、穴あきが生じます。
  (2) 衣料害虫の代表的なものとしては、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、イガ、コイガ等が知られています。
  (3) これらの害虫は屋外に生息していますが、屋内への進入経路として干した布団や洗濯物などに卵を産みつけ付着したものが屋内に持ち込まれます。そして孵化し、幼虫時に繊維を食害します。

 
4.このクレームが発生し易い素材の製品
  (1) 毛・絹製品全般
(2) 毛皮製品
  (3) 毛製のじゅうたん

 
5.このクレームが発生し易い条件、部位等
  (1) 防虫剤が使用されずに長期にわたって保管された場合
(2) 食べこぼし等の汚れが残ったまま長期にわたって保管された場合
(3) 6月〜8月位に多くの衣料虫害が生じます。

 
6.売り場でのクレーム受付時の対応について
  (1) 発生時の状況などについてお客様に確認します。 
1.購入日
2.着用期間、保管期間
3.保管前の洗濯状況の有無
4.穴あきに気付いた時点
(2) 上記を確認し、「調査しご報告致します」ことを伝えます。その際、調査に日数がかかる旨の了解を得ること。
(注)穴あきには、虫食い、引っ掛け、熱(煙草の火)、糸の結び目の解けなど多くの原因が考えられる為、穴あきに気がついた状況を詳しく確認します。

 
7.・判断基準と試験方法
 ・クレーム処理時のお客様への説明方法
  (1) 調査結果の報告書に基づいて説明します。
  (2) 試験方法:
 

顕微鏡で「繊維の切断面」の写真をとります。
(注)虫食いの場合、繊維の切断面に歯形が見られます。

(3) 判断について
  虫食いの場合は、毛素材に多く発生し、商品的な問題ではなく、保管中の虫食いによる穴あきであることを説明します。

 
8.・商品を企画・生産する場合の注意事項と対策
  (1) 防虫加工方法も開発されていますが、現状では、保管方法による防虫が最も有効です。

 
9.販売時に必要な説明事項
  虫害を防ぐ保管方法の問い合わせがあれば、下記の内容について説明します。
  (1) 保管する前は、必ず、洗濯、クリーニングなどを行い、汚れ・シミ等を取り除いて収納して下さい。
  (2) 保管には、防虫剤を使用して下さい。
  (3) 長期間保管する際は、定期的に防虫剤を新しいものと入れ替えたり、風通しの良いところで陰干しを行ってください。

 
10.その他
  防虫剤の種類と特徴
種類 特徴 持続期間
パラジクロルベンゼン  ・価格が安く、防虫効果も優れています。
・防虫剤の90%を占めます。
4〜6ヶ月
ナフタリン ・防虫効果がやや弱いので、多めに入れます。 4〜5ヶ月
樟脳

・価格が高く、防虫効果はゆるやか
・和服、毛皮に適しています。

3〜4ヶ月
ピレスロイド系 ・においがないのが特徴
・防虫効果が一番優れています。
・最近多く販売されています。
6〜8ヶ月
  <注意事項>
種類が異なる防虫剤を一緒に入れないこと。
(例えば、パラジクロルベンゼンとナフタリン)
 




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