カケン
クレーム事例紹介      

このコーナーでは、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」のなかから事例を引用し、ご紹介します。

 
 



【表面フラッシュ】











冬になると起毛加工を施した衣料品が多くなります。
綿やレーヨンなどの起毛した部屋着を着たまま、ガスレンジで料理することもあると思いますが、誤って炎に触れてしまうと、あっという間に燃え広がり、大きな事故につながる可能性があるということをご存じですか?
そこで、今回は、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」の中から”表面フラッシュ”の事例を引用し、紹介します。
1.クレームの状況
  苦情内容:
表起毛のトレーナーを着用し、ガスレンジを着火したとき袖部から背面にまで炎が走り、頭髪の一部が焦げました。
組成表示:
綿100%
取扱表示:
取扱表示

蛍光増白剤による変色01蛍光増白剤による変色02
 
2.同類のクレームの事例
  (1) ネルのパジャマにライターの炎が触れた瞬間に炎が広がり、眉毛を焦がしました。
(2) 麻のサマーセーターにローソクの炎が触れた瞬間、袖から胸部にかけて火に包まれたようになりました。
(3) 寝床の中でタバコに火をつけた途端にボアシーツの表面に火が走りました。

 
3.なぜこの現象が起きるのですか
  (1) 起毛製品に生じる現象で、起毛されたパイル糸が毛羽立った状態で炎が接触すると、一瞬のうちに生地表面の毛羽だけに炎が燃え広がります。
この現象を表面フラッシュ現象といいます。

 
4.このクレームが発生し易い素材の製品
  (1) 綿、レーヨン等及びその混紡の起毛品(毛羽の長いもの)
(2) 綿、麻等の編み物(表面に毛羽立ちの認められるもの)

発生しにくい製品
  (1) 合成繊維100%
  (2) ピーチスキン調の毛羽の短いもの
  (3) 起毛加工していない毛、絹織物
 
5.このクレームが発生し易い条件、部位等
  (1) 着用や洗濯の繰り返しによって、起毛品の表面の繊維に毛羽が多く発生したとき。
(2) 起毛品の毛羽の長さ、密度等によって差が生じます。
(ある程度表面の毛羽の長い生地に発生し易いです)

6.売り場でのクレーム受付時の対応について
  (1) 発生時の状況などについてお客様に確認します。



 
1. 購入日
2. 使用状況(特に引火した瞬間の使用状況)
3. 被害の程度(火傷等を負っていれば、医師にかかるようお勧めします)


4. 洗濯の有無、回数
(2) 上記を確認し、「調査しご報告致します」ことを伝えます。
その際、調査に日数がかかる旨の了解を得ること。
(3) 火傷等の被害が大きい場合、各店のPL対応委員会(総務)にクレーム内容等を所定の様式に記載し、報告します。
[PL法の範疇]
  1. 現在のところ、判断基準が明確ではありませんが、発生した状況などから製品の欠陥と認められた場合、PL対象の可能性があります。
  2. 表面フラッシュによって髪の毛を焦がしたり、火傷を負った場合、また、ショックにより手に持っていた鍋をひっくり返し、二次的な火傷を負った場合などにPLの対象となる場合もあります。
 
7.・判断基準と試験方法
 ・クレーム処理時のお客様への説明方法
  (1) 調査結果の報告書に基づいて説明します。
    1.PL法の範疇のものは、PL対応委員会から対応します。
2.現品のみの事故であれば、報告書に基づいて説明します。
 
(2) 試験方法:〈公的な試験ではなく、業界の一般的目安です〉
  1.

表面フラッシュ試験
カケン法…火炎が20cmの高さに達する時間が1秒以内は不可
CS-191法…フラッシュ現象の有無(有りは不可)

(3) 判断について〈申し出者がPLクレームでないと明確な場合〉
  1. 基準値をクリアしたものは危険性は少ないが、警告表示がなく、生地表面の毛羽が長いものは、炎に接触すると表面燃焼が発生し、危険な可能性があることを説明します。
  2.

但し、発生した状況などを検討の上、判断はPL対応委員会の責任者が行います。

 
8.商品を企画・生産する場合の注意事項と対策
  (1) 素材
綿、麻、レーヨンなどのセルロース繊維とその混紡品であって、ある程度表面の毛羽が長い起毛品やパイル品。
(2) 形態
衿回り、袖口等に装飾物の多いデザインやドルマンスリーブタイプのもの。
(3) 用途
火元での着用頻度が高いホームウェア、エプロン、パジャマ等
  上記3項目に該当する商品は、試験を行い、その結果において商品の適否の判断、及び「警告表示」を行います。

 
9.販売時に必要な説明事項
  (1) 必要に応じて、商品に「表面フラッシュ現象」の警告表示の付いているものは、その内容を説明します。
(2) 毛羽のある衣服を着用した場合、火気の取り扱いには十分注意し、炊事作業等においては、エプロン(起毛素材ではなく、フリル等がないもの)や他の衣服を着用するよう説明します。
 
10.その他

  (1) 取り扱い注意表示の例(警告表示)

1.

「料理、喫煙、花火などの火を扱う場合、炎のそばに近づく時は注意して下さい。表面の毛羽に引火し、火傷する等の危険が有りますのでご注意下さい。」

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