カケン
クレーム事例紹介      

このコーナーでは、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」のなかから事例を引用し、ご紹介します。

 
 



静電気障害











冬になると空気が乾燥し、どうしても静電気が発生しやすくなります。
皆さんは衣服が体にまつわりついたり、脱衣のときパチパチ音が発生して嫌な思いをした経験はありませんか?
そこで、今回は、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」の中から”静電気障害”の事例を引用し、紹介します。
1.クレームの状況
  苦情内容:
スカートが脚にまつわりつき、気になって歩けません。風の強い日は特にまつわりつきが著しいです。
組成表示:
表地 毛100%
裏地 ポリエステル100%
取扱表示:
取扱表示

蛍光増白剤による変色01蛍光増白剤による変色02
 
2.同類のクレームの事例
  (1) 毛100%のスラックスが脚にまつわりつき、歩いているうちにずり上がってきます。
(2) 表地毛100%、裏地ポリエステル100%の黒色のジャケットにほこりや糸くずが付着しやすく、エチケットブラシをかけてもなかなかとれません。
(3) 毛50%、アクリル50%のセーターを脱いだところ、パチパチ放電し、不快を感じました。

 
3.なぜこの現象が起きるのですか
  (1) 衣類の生地どうし、又は他の衣類との摩擦により静電気が発生すると、まつわりつきやほこりの吸着及び放電(パチパチ)が起き易くなります。

 
4.このクレームが発生し易い素材の製品
  (1) 帯電防止加工のしていない合成繊維製品(ナイロン、ポリエステル、アクリル)
(2) 表面がザラザラしたもの及び凹凸のある毛製品など(表面摩擦係数の大きいもの)

 
5.このクレームが発生し易い条件、部位等
  (1) 静電気は湿度が低い(40%以下)冬場など乾燥した環境で発生し易いです。
(2) 摩擦帯電列図でプラス側のものとマイナス側のものを擦りあわせるとプラス側の繊維にはプラスの、マイナス側の繊維にはマイナスの静電気が発生します。そして、帯電列のプラスとマイナスの距離が遠くなるほど静電気は多く発生します。例えば、ナイロンとアクリルの衣服の組み合わせなどは、静電気が発生し易いと考えられます。
(3) 歩行、着脱等摩擦が連続したり、急激かつ過度に生じた場合。


  <摩擦帯電列図>

6.売り場でのクレーム受付時の対応について
  (1) 発生時の状況などについてお客様に確認します。



 
1. 購入日
2. 着用状況(どのような製品と重ね着したか、どのような繊維であったのか)
3. どういう状況(現象)が発生したか確認します。
〔静電気による現象〕
イ.まつわりつく(スカート、コートなど)
ロ.脱衣時パチパチ放電する
ハ.ドアのノブに触れた時、指先にチクッとショックを感じる
二.ほこりがよくつく
(注) 静電気障害は、責任所在、評価方法などが難しいため、乾燥した季節などは(湿度が40%以下)静電気が発生しやすいことを項目3、4、5を参考に説明します。

 
7.・判断基準と試験方法
 ・クレーム処理時のお客様への説明方法
  (1) 調査結果の報告書に基づいて説明します。
  (2) 試験方法:
  *摩擦帯電圧試験(JIS-L-1094 B法)
3000V以下(ユニフォーム等2000V以下)
[停止1分後:1000V以下(ユニフォーム等500V以下)]

〔繊維自体の吸湿性〕
ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維は、水分率が少なく、静電気が発生しても、水分を伝わって逃げにくいため、溜まる一方となり、電荷量が大きくなります。

〔着用時の湿度環境〕
夏は湿度が高く(空気中の水分が多い)静電気が発生しても水分を伝わって逃げやすいです。冬場は湿度も低く、乾燥期では天然繊維でも静電気が発生します。特に、暖房設備内では湿度が低く、静電気が発生しやすい条件にあります。

〔他素材関連〕
1. 静電気は項目5のように帯電列図のプラスとマイナスの距離が遠くなる繊維の組み合わせで発生しやすくなります。
2. 床材によっては(例:カーペットなど)人体に帯電が起こりやすくなります。又、履物によっても影響し、ゴム製の靴底などは帯電しやすく、革製の靴底の場合は静電気を逃がしやすいです。
静電気は、これらの条件の組み合わせで発生するもので、同一衣料でも、次の着用時に必ず同程度発生するとは限りません。

 
8.商品を企画・生産する場合の注意事項と対策
  (1) 裏地、ランジェリー等に合成繊維を使用する場合は帯電防止加工の素材を考慮し、企画・設計します。
  (2) 毛・絹の高級素材の裏地には、キュプラ、レーヨンが適しています。

 
9.販売時に必要な説明事項
  (1) 静電気が発生した際の対策の説明(一時的な加工)
  1.  水洗い洗濯可能な製品には、洗濯時に柔軟剤を使用することをお薦めします。
  2. 
水洗い不可の場合、クリーニング店にご相談下さい。
  3. 
スカートのまつわりつき防止には市販の静電気防止用スプレーの使用をお薦めします。(取扱い注意表示を読み、使用するよう説明して下さい。)
 




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