カケン
クレーム事例紹介      

このコーナーでは、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」のなかから事例を引用し、ご紹介します。

 
 



パイル抜け(コール天、別珍)











秋も深まり、これから冬に向けて暖かい服装をする機会がますます多くなると思います。保温性の高いコール天や別珍などの衣類は、寒い季節に欠かせないアイテムですが、それらのパイルが抜けてしまい、困ったことはありませんか?
そこで、今回は、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」の中から”パイル抜け(コール天、別珍)”の事例を引用し、紹介します。
1.クレームの状況
  苦情内容:
コール天のジャケットを3ヶ月程着用したら、脇部分のパイルが脱落し、基布が露出しました。
  組成表示:
綿100%
  取扱表示:
取扱表示

蛍光増白剤による変色01蛍光増白剤による変色02
 
2.同類のクレームの事例
  (1) 別珍のジャケットを着用したところ、ひじの部分のパイルが脱落しました。

  (2) レーヨン混の別珍のジャケットを着用し、自動車を運転したところ、シートベルトの摩擦作用を受けた部分のパイルが脱落しました。

 
3.なぜこの現象が起きるのですか

カットパイル製品はパイル糸が地組織に接合されていますが、組織がルーズであったり交錯点が少ないと、物理的作用を受けることによってパイル糸が動き、脱落してしまいます。
  (1) 裏側から摩擦を受けた場合、地組織部分がこすられパイル糸が移動し、抜けます。

(2) 表からの強い物理的作用(引っ掛け、摩擦)を受けるとパイルが引き抜かれます。

 
4.このクレームが発生し易い素材の製品
  (1) V字形のパイルの生地を使用した製品


  (2) レーヨンやポリエステルは滑りやすく、綿のものよりはパイル抜けが生じやすいです。

 
5.このクレームが発生し易い条件、部位等
  条件 裏地を使用していない製品が、着用及びクリーニング中に物理的作用を受けたとき

部位 上衣(脇、ひじ) 下衣(ひざ、尻部)

 
6.売り場でのクレーム受付時の対応について
  (1) 発生時の状況などについてお客様に確認します。
 


 
1. 購入日
2. 着用期間
3. 着用、取扱い方法(バック等との引っ掛け等がなかったか)
4. 洗濯方法(家庭洗濯、タンブラー乾燥機使用の有無、クリーニング方法)

(2) 上記を確認し、「調査しご報告致します」ことを伝えます。
その際、調査に日数がかかる旨の了解を得ます。
    パイル抜けは、特にパイル裏側から擦られ、パイルが移動し抜けるケースが多く、製品上の問題と取扱い上(バック等による摩擦、洗濯時の引っかけ等)の問題があり、着用状況、取扱い方法を詳しくお聞きすることが重要です。

 
7.・判断基準と試験方法
 ・クレーム処理時のお客様への説明方法
  (1) 調査結果の報告書に基づいて処理します。

  (2) 試験方法: 1)パイル保持性
1. JIS-L-1075A法
 ・パイル保持率60%以上(500回摩擦)
2. カケン法
 ・ニットベロア :  2 級以上(100回)
 ・コール天、別珍: 3-4 級以上(300回) 

(3) 判断について


1. 試験結果から、パイル保持率が基準値に満たない場合、商品に問題があったことを説明します。
2. 基準値以内の場合、通常の着用及び取扱い等では問題ないことを説明し、適切な着用、洗濯などの取扱い方法を説明します。
3. 同種新品やデータがなく、苦情品のカットも不可の場合、使用条件を考慮し、営業的処理を行います。

 
8.商品を企画・生産する場合の注意事項と対策
  (1) コール天及び別珍等のパイル生地を採用する場合、パイル保持性試験などによってパイルが抜けにくいか事前に確認しておきます。

  (2) パイルは滑りにくい素材を採用します。
1. 綿に比べ、レーヨン、ポリエステル等は滑りやすいので注意します。
2. V字型パイルの方が、W字型パイルより抜けやすいため注意します。
3. なるべく、柔軟加工などは避ける。

  (3) 裏地を用いる。
1.裏側から強い摩擦を受けると抜けやすいため、滑りのよい裏地仕様とします。

  (4) 取扱い上の注意表示を付けます。

 
9.販売時に必要な説明事項
  (1) 着用中の強い摩擦、引っ掛け(バック等)などはパイルが抜けたり倒れたりするので、取扱いには注意するように説明します。

 
10.その他
  <注意表示の内容>
    1. 着用中の引っ掛けに注意しましょう。(バックの金具等)
2. 洗濯、クリーニング時には、ネットに入れましょう。
3. 粘着性のセロテープなどでホコリを取るのは避けましょう。
 




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